●法人の56%、143万社が対象

  日本の法人は、有限会社143万社(56%) 株式会社104万社(41%) 合名、合資

 その他会社は8万社(3%)あります。〔国税庁・15年度法人企業の実態から〕

  6月29日に成立した「新会社法」は、原則来年の4月に施行されますが、法人数の過半

 数を占める有限会社を廃止して新しい株式会社法制に一本化します。


●施行後に株式会社に移行する

  最低資本金が撤廃されるので、増資をせずに現在の資本金のままで株式会社に移行するこ

 とができますが、取締役、監査役に任期が必要となり、厳格な適用はないとはいえ計算書類

 の公告義務も生じます。

  また、株式譲渡制限会社(株式の譲渡に会社の承認が必要と定款で定められている会社)

 になれば、取締役会の設置は任意となり、取締役会を置かない会社の取締役は1名以上(1

 名でもよい)になります。

  取締役会を置く会社は取締役は3名以上必要で、会計参与(税理士等が取締役と共同して

 計算書類の作成を行う)を置けば監査役の設置は任意です。

  なお、商号の変更による登記等の費用、加えて社印、封筒等、通知等のコストもかかりま

 す。


●そのまま有限会社として存続する


  既存の有限会社が、株式会社への移行を希望しなければ、何もしなくてもそのまま有限会

 社(特例有限会社)として存続できる経過措置があります。

  会社法施行後、直ちに選択しなければならないわけではないので、移行か存続かよく検討

 した上で、ご判断下さい。


既存の有限会社はどう対応

●総合課税から分離課税への移行

  ゴルフ会員権の売買損益と給与など他の所得との損益通算ができなくなる可能性が出てき

 ました。政府税制調査会が6月21日に公表した個人所得税の基本方針を示す報告書のなか

 で、ゴルフ会員権は総合課税から分離課税に移行することが示されています。

  現在は、ゴルフ会員権を売った場合、売却価額から取得費や手数料などを差し引いた利益

 や損失を他の所得と合算して総合課税されます。所有期間が5年以上のものは、長期譲渡所

 得として譲渡益は2分の1課税となり、譲渡損はその全額を総合所得とされ他の所得から差

 し引くことができることから、不均衡な制度としての考えが政府税制調査会にあります。

  実施の時期については今のところ未定ですが、昨年1月にさかのぼって実施された土地や

 建物の譲渡所得の損益通算撤廃を思うと、税制改正を待っていては損益通算するチャンスが

 なくなる事も大いに考えられます。